AN1370
フーリエ変換赤外分光法 シールド加熱ダイヤモンド ATR
(Shield type heated diamond ATR)
1. メーカー
Specac製
2. 特徴
一定温度で加熱または昇温しながら赤外分光分析を行うことが可能です。
温度変化による試料表面の情報が得られ、試料の熱劣化、熱分解、熱硬化反応等の様々な熱反応過程を追跡することができます。また、シールド機構付なので、大気フリーでの測定も可能です。
3. 原理
物質に赤外光を当て、得られた赤外吸収スペクトルから原子団や官能基を特定することができます。
フーリエ変換赤外分光光度計の試料観測部分にシールド加熱ダイヤモンドATRを設置して、測定を行います
写真1:FT-IR装置 | 写真2:シールド加熱ダイヤモンドATR |
4. 性能・仕様
プリズム | ダイヤモンド |
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測定波数範囲 | 5200-400cm-1 |
検出器 |
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測定法 | 1回反射ATR法 |
熱走査測定 | r.t.〜300℃(シールドあり) r.t.〜350℃(シールドなし) |
5. 試料の形状、サイズ
試料量 | 2mm×2mm程度以上 |
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6. 分析依頼時の留意点
カーボンなど黒色試料では明瞭なピークが得られ難い場合があります
7. 測定データ例
電子部品の封止材料などに使用されることの多いエポキシ樹脂の硬化過程を、熱走査IR測定により調べました。加熱に伴いエポキシ基のピーク(900cm-1付近)強度が減少しており、架橋反応によりエポキシ基が開環して消費され、硬化が進行している状態が観察されました。
8. 適用例
- 有機物の熱劣化過程の分析
- 熱硬化性樹脂の硬化過程の分析