AN1305
蛍光X線分光分析法
XRF:X-ray fluorescence spectroscopy
1. 特徴
全くの未知試料を試料形態(粉末、液体、固体)に関わらず、前処理なしにホウ素からウランまでノースタンダード定量分析(FP法定量分析)が可能です。
2. 原理
図1のようにX線が照射されると、内殻準位(例えばK殻)の電子が光電吸収で放出され、この空いた準位へ、上の準位(L殻)から電子が遷移します。このとき、軌道間のエネルギー差に相当する蛍光X線(Kα)が放出されます。軌道のエネルギーは元素固有であるため、この蛍光X線も元素固有となり、このX線の波長を分光して元素を特定(定性)し、その強度より定量分析を行います。
図1:蛍光X線の発生
3. 主な性能・仕様
図2:装置概観
X線源 | Rh, 4kW |
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測定可能元素 | 5B 〜 92U |
定量範囲 | ppm から % オーダーまで可能 |
4. 試料の形状・サイズ
試料形態 | 粉末、液体、固体、どのような形態でも可能 最大直径51mm、最大厚40mm |
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試料量 | 小スパチュラ 1杯以上 |
5. 分析依頼時の留意点
試料は均質であること。
6. 測定データ例
1)定性分析
図3:蛍光X線測定チャート
2)定量分析
検出された元素にて100wt%に規格化します。
B | C | N | O | Na | Mg | Al | Si | P | S | K |
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0.63 | < 0.01 | 0.45 | 1.7 | 0.06 | 0.02 | 0.21 | 0.61 | 0.02 | 0.01 | < 0.01 |
Ti | V | Cr | Mn | Fe | Co | Ni | Cu | As | Mo |
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< 0.01 | 0.03 | 17 | 0.35 | 78 | 0.02 | 0.21 | 0.08 | 0.02 | 0.01 |
7. 適用例
- 高合金鋼、非鉄合金の分析
- 電子材料、触媒の分析
- 潤滑油、石炭灰、高分子材料中の微量金属分析
- 複合材料中の充填剤分析
- 溶液中の無機成分の分析