AN1302
無機元素分析法(O、N、H)
EA:Elemental analysis
1. 特徴
- 金属試料中の酸素、窒素、水素濃度を微量濃度まで定量できます。
- 一部のセラミックス中の酸素、窒素、水素濃度が定量できます。
2. 原理
試料をフラックスと共に黒鉛るつぼに入れ、ヘリウム気流中でインパルス炉の抵抗加熱により溶融分解し、酸素は二酸化炭素として、また水素は水分として赤外検出器で検出し、窒素はそのまま熱伝導度検出器で検出して定量します。
図1:酸素・窒素・水素同時分析装置の構造概略図 |
3. 主な性能、仕様
定量下限 |
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分析精度 | (酸素、窒素、水素とも)相対標準偏差約10%以内 |
4. 試料の形状、サイズ
試料形態 | 金属片または粉末が好ましい(要相談) |
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試料量 | 1g程度(含有量、分解性により装置投入量を加減) |
5. 分析依頼時の留意点
金属、セラミックス、鉱石など無機物中の酸素、窒素測定に用いられます。ただし、有機物あるいはハロゲン等を含み、溶融分解中に腐食性の気体を発生する試料は測定できません。また、水素を分析する場合は、分析条件が異なるため事前にご相談ください。
6. 測定データ例
酸素、窒素、水素同時分析装置では、溶融した試料から発生した各元素は赤外線検出器または熱伝導度検出器を通過し、検出されることによって、以下図2に示したプロファイル(信号強度/時間)が得られます。定量値はプロファイルの強度を積分し、標準物質の積分強度と比較することで得られます。
図2:酸素、窒素、水素のプロファイル測定例 |
7. 適用例
- 金属中の酸素、窒素、水素分析。
- 窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素などのファインセラミック材料中の分析。